医療従事者ミヤタの病気紹介ブログ

医学を学んでいる私が自らの勉学も兼ねて医療関係者以外の方にも分かりやすい様に話題の病気を紹介するブログ

厚生労働省発表のロキソニンの副作用、腸閉塞とはどのような病気か

こんにちは

 厚生労働省ロキソニンの副作用に腸閉塞(イレウス)が追加されたと発表され話題となっています。厚生労働省のサイトから一部引用しますと、

 

【医薬品名】ロキソプロフェンナトリウム水和物(経口剤)

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項に

「小腸・大腸の狭窄・閉塞:小腸・大腸の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

を追記する。

 

とのことです。このロキソニンという薬を飲んでいる方は非常に多いと思います。私も片頭痛持ちなので大変お世話になっています。この副作用が発表されたことによってネット上などでは、ロキソニンはとても怖い薬なのでもう飲むのを辞めようか、という声も聞かれます。本当にロキソニンを飲むことを辞めるべきなのでしょうか。そして腸閉塞とはどのような病気なのでしょうか。

 

腸閉塞は腸が何らかの原因で詰まってしまったり、腸の機能が悪くなり動かなくなってしまうことで起こります。今回のケースでは、厚生労働省の文面から察すると潰瘍が出来ることにより物理的に腸が詰まって起こるのでしょう。単に腸が詰まる種類の腸閉塞では、腸が詰まると徐々に腹痛が出てきます。また、吐き気が出て実際に吐くこともあります。そしておなかが張ってきて便や、ガスが出なくなります。そうなるともう病院に行かなければなりません。病院では、鼻からチューブを入れ、腸の中身を取り出してあげることで治療を行います。それに加えて点滴と抗生物質の薬を飲むことで手術をせずに治ることがほとんどです。

今回厚生労働省から発表がありましたが、私はロキソニンを飲むことは辞めません。確かに「重大な副作用」といわれるととても怖いものに聞こえます。しかし「重大な副作用」とは副作用が起きる確率が高いことを示す言葉ではないようです。元々、ロキソニンには胃や腸に潰瘍が出来るなど胃腸を荒らす副作用があり、空腹時に飲んではならないということは有名かと思います。胃薬とともに処方されるのはその為です。そのルールを守っていれば腸閉塞が起こる可能性は低いのではないでしょうか。

そもそも薬はリスクといわれ、副作用の出ない薬などありません。例えばロキソニンにも腸閉塞以外にも怖い副作用はあります。しかし、医師の処方を守り闇雲に薬に手を出さなければ副作用のリスクは減らすことができます。そしてもちろん少しでもおかしいと感じたらすぐに病院に行くことが大切です。よりよい生活の為にも薬と良いお付き合いをしていきたいですね。