医療従事者ミヤタの病気紹介ブログ

医学を学んでいる私が自らの勉学も兼ねて医療関係者以外の方にも分かりやすい様に話題の病気を紹介するブログ

清原元選手の入院の原因糖尿病は身近に潜む危険な病気!

こんにちは。初めての投稿で糖尿病について語りたいと思います。

プロ野球選手の清原さんが覚醒剤の使用により逮捕・保釈され、現在は糖尿病の治療の為に入院していると話題になっています。糖尿病は生活習慣病とも言われ、なじみの深い病気なのではないかと思います。実は糖尿病には大まかに分けて1型と2型があり、生活習慣が関連するのは2型糖尿病といわれるものです。実際にはわかりませんが、おそらく清原さんも2型糖尿病ではないかと思います。ですので、今日は糖尿病の内でも2型糖尿病について知っていただけると幸いです。

 

人間は物を食べて血糖が増えると膵臓からインスリンというホルモンを出します。そしてそのインスリンが正常に働くことにより血糖が下がるという仕組みになっています。2型糖尿病は遺伝などによりインスリンの出が悪くなってしまったり、遺伝、肥満、過食、高脂肪食、運動不足、ストレス、加齢などによりインスリンが効きにくくなることにより起こります。なので2型糖尿病は生活習慣の悪い中年の方に起こりやすいのです。

2型糖尿病軽度の場合自覚症状がないことも多く、検診や他の病気の治療中に発見されることがあります。進行してくると喉や口が渇き飲み物をたくさん飲むようになり、それによって尿がたくさん出、夜寝ていると尿意で目が覚めるようになることもあります。他にも疲れを感じやすくなったり、体重が減ってきたりもします。糖尿病が怖いのはさらに進行すると目、腎臓、神経、血管など体の様々な所に病変が波及します。これらを合併症といいます。合併症が目におこると出血や網膜剥離がおこり、最悪の場合失明します。腎臓が悪くなると最終的に腎移植や人工透析をしなくならなければなります。神経が悪くなると温度や痛みを感じなくなり火傷やケガの原因となります。血管が悪くなると脳梗塞心筋梗塞になる危険性が上がります。足先などの神経や血管が悪くなると足が腐ってきてしまいます。また急激に血糖値が上がることによって意識を失いそのまま亡くなってしまうこともあります。このように糖尿病は治療をせずに放置していると大変なことになる怖い病気なのです。

2型糖尿病の治療は病態に合わせて行いますが、最も大事なのは血糖のコントロールを行うことです。そのためにはきちんとした食事をとり、運動をする、つまり生活習慣を改善することが治療の大前提となります。それに加えて薬を飲んだり、インスリンによる治療を行います。合併症があればもちろんその治療も行います。これは私が外来を見ているときに感じた個人的な感想ですが、2型糖尿病の患者さんには自己管理な苦手な方が多い印象があります。なので治療には家族の方や友人の方など周りの協力が必要でしょう。

清原さんの血糖値は900mg/dLあったと言われています。糖尿病と診断されるのが126mg/dL以上(空腹時)ですので、本当であればかなり重症な状態かもしれませんね。覚醒剤離脱症状とも戦わなければなりませんし治療は本当に大変かと思います。しかししっかりと治療を行い、いつか野球界に戻ってきてほしいですね。