医療従事者ミヤタの病気紹介ブログ

医学を学んでいる私が自らの勉学も兼ねて医療関係者以外の方にも分かりやすい様に話題の病気を紹介するブログ

柴田理恵さんが手術した白内障は歳を取ると誰もがなる病気

こんばんは。今日は誰もが年を取ることによってなることがある白内障について説明します。まず、横から見た眼球の絵を、大分簡略化して書いてみました。

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眼から入った情報は矢印のように進んでいき神経を伝って脳へと伝達され、物が見えるということになります。進路の途中、赤で書いた水晶体という透明な凸レンズを通ります。水晶体は初めは透明なのですが、年を取るにつれて白く濁ってきてしまいます。その濁りが高度になり見えにくくなった状態を白内障と呼びます。

白内障の症状には視力の低下、光がまぶしく感じる、目の前に霧のかかったような視界になる、などがあります。水晶体が濁るのは、加齢以外にも遺伝、ダウン症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイドの他、様々な原因があります。加齢が原因の場合50~60歳以上で見られます。

白内障の治療は手術が第一選択です。濁った水晶体を超音波によって細かく砕いた後、それらを吸い取って取り除きます。そして水晶体の代わりに眼の中に人工的なレンズを入れて手術は終了です。麻酔は全身麻酔ではなく目の中の局所的な麻酔のみで、早くて10分ほどで終わる手術です。病院によりますが、最近は日帰り手術も出来ます。ちなみに眼科医が最初にマスターする手術はこの白内障手術です。

手術を受けられた患者さんの話を聞くと本当によく見えるようになるようです。目の見えにくさを感じだしたら早めに眼科を受診され、手術を検討してみてもよいかもしれませんね。