医療従事者ミヤタの病気紹介ブログ

医学を学んでいる私が自らの勉学も兼ねて医療関係者以外の方にも分かりやすい様に話題の病気を紹介するブログ

決して「甘え」ではない!うつ病は真面目な人ほどなりやすく、死ぬこともある病気

こんにちは。今日は最近増えているうつ病についてです。うつというと気持ちの問題だと思う方もいるかもしれません。しかしうつはれっきとした病気です。そして治療を行うことで治すことができます。うつ病とはどのような病気なのでしょうか。

うつ病では以下の症状がみられます。

抑うつ気分

 憂うつな気分がいつまでも続く、気分が沈み込む何をしても楽しめない、やる気が起こらないなどの状態になる。

②興味関心の低下

 趣味や興味があったことを一切やらなくなるなど物事に興味や関心が無くなる。

睡眠障害

 眠りの途中で目が覚める、早朝に目が覚める、熟睡感が無いなど。

④食欲不振/過食

⑤精神運動性の抑制/焦燥

 考えが浮かばなかったり、焦りがみられる。

⑥疲労感、気力減退

⑦思考力、集中力の減退

⑧無価値観/自責感

自殺念慮

これらの症状が2週間以上続いている場合は注意が必要です。上記の症状は日内変動があり、朝に強いことが多いです。朝、出勤が億劫になるのは日内変動があるからです。この中でも特に注意する必要があるのはやはり自殺です。うつ病が死ぬ病気であるのはこの為です。うつ病は真面目な人ほどかかりやすいです。頑張りすぎて、これ以上頑張れない状態になってしまうのでしょう。うつ発病の原因は辛い出来事や状態だけではありません。昇進などの通常喜ばしいことや、転居など環境の変化でもおきる可能性はあります。年度の変わり目は注意が必要でしょう。

 うつ病の治療は基本的に心理療法や精神療法、薬で行います。治療に大切なのは十分な心身の休養を行うことです。休養であって気分転換をするわけではないことに注意が必要です。また、うつ病の患者に頑張れなど励ますことはしてはいけませんうつ病の人はもうすでに頑張っており、これ以上頑張れといわれることに辛さを感じてしまうからです。治療中に注意しなければならないのは、治療を始めたころが一番自殺の可能性が高いということです。治療前の一番落ち込んでいる状態では自殺する元気もなかったのですが、治療により元気を取り戻し始めて自殺を考えるようになってしまうのです。自殺をしない約束を取り付けるのも有効です。元来真面目な方が多いですから約束を守ってくれることも多く、自殺の可能性を下げることができます。また、療養中に転職・離職、離婚など重大な決断はしないことも重要です。

 うつ病は目で見ることができず、他人には理解されにくい病気かもしれません。だからこそ周りの方々の気付きや支え、理解が大事です。このような症状の方が周りにいるときは精神科の受診を勧めてあげ、早期発見、早期治療につなげましょう。